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損保代理店のノウハウ悪用 経営者ら2人逮捕 警視庁

事故20件偽装、5000万円詐欺

わざと交通事故を起こして保険金をだまし取ったとして、

詐欺の疑いで東京都八王子市内に住む大手損害保険代理店経営の男(四一)と

会社員の女(三六)の二人が、警視庁に逮捕されていたことが五日、分かった。

男らは代理店業務で得た知識を悪用して平成六年から十五年にかけて約二十件の事故を偽装。

だまし取った保険金は総額五千万円に上るとみられており、

警視庁は六日にも同容疑で二人を再逮捕する方針。

警視庁によると、二人は平成十三年四月、八王子市内の道路で、

側溝にわざと乗用車を脱輪させて事故を起こしたうえ、

ハンドル操作を誤って脱輪してけがをしたと偽って傷害保険金など約二百万円をだまし取った。

また、十三年夏には神奈川県内の道路上で、

普通乗用車二台をわざと衝突させて事故が起きたように偽装。

車両保険金や対物保険金として約百七十万円を保険会社からだまし取った疑いが持たれている。

関係者によると、約二十件の事故は主に東京都多摩地域を中心に起こされ、

男の知人らがそれぞれ「加害者役」となっていたという。

男らは多額の保険金をだまし取るために高級車を使っていたほか、

保険会社には事故車を廃車処分にするとして「全損」と認めさせ、

車両保険金を上積みさせるなど、代理店業務で得た保険に関する知識を巧みに利用していた。

交通事故を捏造(ねつぞう)した保険金詐取事件では、

東京都葛飾区に住む無職男ら十人のグループが、約十年間にわたって四十件の事故を偽装。

損害保険会社から計一億五千万円を詐取したとして、

今年に入り、警視庁交通捜査課に詐欺容疑で逮捕されている。

     ◇

≪手口巧妙 難しい判断「嗅覚頼り」≫

自ら交通事故を起こして保険金をだまし取る典型的な「当たり屋」など、

事故を偽装した不正な保険金請求が後を絶たない。手口も年々巧妙化しており、

大手損害保険会社の関係者は「加害者と被害者が共謀して故意に事故をつくりだすと、

偽装かどうか見抜くことは難しい。疑わしいものも含めると、

どのくらいあるのか見極められない」と指摘する。

最近では、同一人物による保険金請求の繰り返しを避けるため、

大掛かりな組織ネットワークを結成し、被害者役、

加害者役など事故の当事者を次々とかえて不正な請求をするグループが現れ始めた。

少しでも多額の保険金を取るために査定の高い高級車を使ったり、

複数の損保会社と分散契約して偽装の疑惑が持たれないよう工作したりするケースもある。

また、自動車盗難保険のニーズの高まりとともに、

盗難保険をめぐる不正請求の事例も増えている。

一時的に車両を隠したり、車両保管の事実そのものがないなど、手口はさまざまだ。

一方、保険会社からみると、多額請求の繰り返し、整合性のない状況説明・損傷など、

明らかに不自然な点がない限り、偽装を見抜くのは困難だ。

偽装が疑われる事故については、保険会社の調査部門や外部の専門調査会社が調べる。

手口が巧妙化、複雑化する中で、関係者は「ベテラン調査員の嗅覚(きゅうかく)や情報、

ノウハウが頼り」と話している。(産経新聞)